第16代 仁徳天皇

仁徳天皇をご存知でしょうか。第16代の天皇です(313年~399年)。聖徳太子の時代より300年以上前の天皇ですね。大阪の堺市にある巨大な前方後円墳が仁徳天皇のお墓なので、知っている方も多いのではないでしょうか。

画像:堺市

天皇と日本人(国民)との関係をあらわす物語

その仁徳天皇で有名なのが「民のかまど(竈)」というものがたり。
ある日、天皇が高い山に登ってあたりを見回すと、まったく煙が立っていないことに気づきます。

「いつもは民が炊事をするのに、あちらこちらで煙が立っているが、どうして立っていないのだ?」
「これはきっと、民が貧しくて、炊事すらできないようになっているに違いない!」
「以後3年間、租税や労役を免除しなさい」
と命じられました。

すると、租税が無いので宮殿はボロボロとなり雨漏りもし始めました。天皇は雨漏りする箇所を避けて質素にお暮しになりました。そう命じられ、3年の後に高い山に登ってみると、みるみる煙が立ち始め、いつもの光景となりました。

「おお、これで私は豊かになった」とおっしゃいました。
すると妃が「衣服も屋敷もボロボロなのに、なぜ豊かになったのですか?」と問われる。
「国の根本は民である。民が豊かになったのだから、私も豊かになったのだ」とお答えになられました。

このあと、租税や労役を元に戻しましたが、民は喜んで税を納め、労役を提供するようになりました。

権力を持つ者の在り方とは?

これは古事記や日本書紀に記載されている伝説に近い物語ですが、この記載があるということは何かを伝えようとしたことは明らかです。つまり・・・

・天皇とは国民の安寧を想う・祈る立場であり、国民はその天皇を敬い・守る、そういう関係である。
・権力を持つものは公僕として自らよりも他社(国民)を優先し、想い、そのために権力を使わなければならい。
・国の最も大事なものは国民、人民である。(民が豊かになれば、国が豊かになる)

ということではないでしょうか。
これを考えた時、これまでの政治権力者は天皇の大御心(想い・希望)に沿うような政治を行ってきていると思いますか?
みなさんは豊かになっていますか?
それが、政治権力者を評価するもっとも重要な物差し、評価基準ではないでしょうか。

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