歴史を学ぶために、「日本国紀」を読んでみた

歴史を学ぶことは、これからの未来を創るためには必須の事だと思っています。
歴史を学ぶとは、学生時代に教科書で習うことだけでは全く足りません。むしろ、そこには一定のフィルターがかかった情報だけの可能性が高いので、他の様々な学者さん、作家さんが書いている書籍を複数読み、そこから得られる集合知を自分なりに解釈していくことが必要になります。

百田さんの「日本国紀」はもう発刊されてから時間も経っていますが、昨今の日本保守党のこともあり、読んでみたいと思い購入しました。いまは上下巻構成になっていて、その情報量も多くなっているようです。

上巻を読み終えて、明治維新とは?

上巻は古代からはじまり、明治維新と言われる一連の日本社会の混乱で終わりとなります。(下巻からは維新後の様々な改革からスタートします)
学んだことや書きたいことは多々あるのですが、まずは直近で印象に残っている明治維新について。

ご存知のように、日本は大坂の陣で徳川家の天下が確固たるものとなった以降、250年におよぶ戦の無い(初期に多少の乱はあったが)平和な時代となります。その平和を築いた重要な施策の1つが「鎖国」であり、外国からの侵略に対する防衛策として幕府がしっかりと対処していました。その平和な時代が黒船来航(1852年)によって打ち破られ、わずか10年程度で開国し、一気に社会が変わっていきます。
その間の主な出来事や国内の状況をまとめてみました。

・長年にわたる鎖国により、平和ではあるが幕府も庶民も外国についてはさほど興味を示さない(おそらく、幕府は情報をオランダ商館などから得ていたが、庶民は情報統制もされ、自らの生活が手一杯で興味を持つ余力もなかった?
・幕府、権力者はマンネリ化、利権化した政治(ごっこ)に終始し、庶民はないがしろにされ続けている(庶民は「御上(おかみ)」のことには口出しできない、といういまでも日本人に残る性格
・戦国時代以降、日本に来た宗教家や商人は限定的とはいえ、日本社会で長年スパイ活動を行い続けており、権力者に近づき、金銭や権力で手なずけている
・黒船という外国の実力行使によっても、幕府は右往左往して長年無策の結果、突然の権力者・井伊直弼が不平等条約であることを知らずに日米和親条約を朝廷の許可も得ずに締結し開国してしまう
日本社会は大いに乱れ、命を落とすものも多数出てくる
・結果として、外国列強(主にイギリスか?)の支援を得た薩長が幕府を倒して明治維新と言われる革命を成功させる(外国の意図が強く反映されている、または利用されているとも)

ざっとポイントを並べるとこんな感じかなと思いますが、重要なことは「明治維新」とは日本人にとっては大きな出来事ですが、世界から見れば、数百年と世界の覇権を握るために争い続けている列強と言われる覇権国家の争いの一部でしか過ぎないということです。

いまはどうか?

さて、いまの私たちの現状はどうでしょうか。

冷戦後のアメリカによる世界の一極支配が続いていましたが、いよいよアメリカの力も弱体化し国内も乱れ始めました。そうなるとそれまで大人しくしていた、他の覇権国家が動き始めます。日本の近隣の野心的な国家もそうだし、世界中で戦争、紛争が頻発し、それを抑えることも出来ないのはその証左でしょう。

日本はどうでしょう?
大東亜戦争終戦後、アメリカにより占領支配で戦争の無い、長い平和な時代が続いています。
平和なことは良いことですが、いまや「平和ボケ」とも言われる状況です。
ここで忘れていはいけないのは、この「平和」は私たちが創り上げたものではないことです。
それはアメリカが極東の最前線を死守するためというのが背景にあります。アメリカは地政学的に太平洋をはさんで地理的に遠いため、どうしても極東に基地となるところが必要です。それが日本なのです。だから、大東亜戦争後、廃墟となった日本に食料を提供し、多額の投資をして短期間で復興させ、後に自衛隊となる軍隊も再建するなど手を打ってきました。
そして、なにより「日本人を再びアメリカに歯向かわせないために」事実を捻じ曲げ、または隠した自虐史観による歴史教育によって団結力を阻害し、政界、経済界に金銭や利権を使って大きな影響力を行使しています。そういう意味で、近隣の覇権国家は日本は相手にしていません。その後ろにいるアメリカが敵国なのです。

そう考えると、明治維新の頃と似ていると思いませんか?
・日本人は長年の平和で平和ボケしている。(危機感の欠如、自らの生活で手一杯)
・政治は世襲や利権化で腐敗し、どうしようもないくらい腐敗している。
・国内にはすでに数えきれないスパイが野放し状態で、事実上外国人によるコミュニティーや土地所有、政界や法曹界、経済界の要職に外国人が就いてる、などが進行している。
・中国やロシアによる日本周辺の実力行使が立て続けに起こってるが、政府は「遺憾砲」だけで、まったく実効的な手を打てない

このあたりまではそっくりな気がします。
明治維新では大老となった井伊直弼が勝手に開国した(これの功罪は別)わけですが、我々の時代ではどうなるのでしょうか。

少なくとも言えることは、私たちはこの国の主権者であることを「自覚」し、世界の出来事に目を向け、正しい情報を取捨選択し、未来に向けて少しでも動き出すことです。
「平和ボケ」に気づかず、自分の私生活とは関係ない世界だからと、何も変わらない日々を過ごすことは、今の現状と日本人にとっては悲しい未来を受け入れるということになると思います。(それでも良いという人もいるかもですが)

さて、こんなことを書いている私も大したことが出来てるわけではありません。今の日本の現状やそれまでの歴史を書物やニュースやネット情報など可能な範囲で情報を集めて知れることを知り、身近な仲間にうるさがれながらも情報発信して、少しでも目に触れるようにすることくらいがしか出来ていないのが現状です。
あと、どんなことができるでしょうか。勇気も必要です。

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