プロフィール

鶴巻耕介さんは、2014年に神戸市北区淡河に移住。地域の仕事をしながら、農村と都市を繋ぐ仕事をされています。

移住される前には、塾の先生を支援する業務やNPO団体で学生を支援する業務などを経験されました。「人を後押しする、必要なものと繋ぐ」スキルを活かして、都市と農村のそれぞれの「ええとこ」を繋ぎ合わせることで、新しい生き方、ライフスタイルを提案されている社会起業家です。

淡河のまち

神戸市北区淡河町は、かつては播磨の国・美嚢郡の一部で三木市と関係の深いところでした。
鎌倉の北条家のゆかりがある淡河氏が淡河城を築いて、この地域を治め、三木の別所家とも縁戚の間柄でした。
三木合戦で淡河氏も別所氏も滅んだ後は、明石藩の預かりとなり陣屋が開かれ、以後江戸時代は参勤交代の宿場町として栄えました。

現在は、人口約2700人ほどの農村地域です。「一般財団法人淡河宿陣屋跡保存会」の皆様が陣屋を復元・保存・管理され、地元の方の憩いの場として活用されています。
近辺には、道の駅淡河や明治から続く銘菓・満月堂など、見どころもたくさんある町です。

どんな社会課題に取り組むのか

鶴巻さんは、かつてのお仕事の中で「子供の貧困」に関して問題意識を持っておられました。その原因は個々の生活環境や社会の中での位置づけなど様々あるが、社会全体としてはなんとか対応しているものの、何か別のアプローチで解決できる方法は無いかと模索されていました。

そんな時に、淡河町との出会いがあり、農村部で地域のお役に立ちながら、心豊かなライフスタイルをすることへの魅力を感じられると同時に、ご自身の子供を育てる環境の改善を目指されました。

そして、様々な活動をしていくうちに、空き家問題や耕作放棄地、人口減少など農村部の社会課題にも視野を広げられています。

*写真はイメージです

事業内容

鶴巻さんはいくつかの仕事や事業を通じて、社会課題の解決に向けてチャレンジしていらっしゃいます。

まちづくり団体「淡河の明日を考える会(通称・淡河ワッショイ)」のメンバー

移住前から当団体のお手伝いから始められ、いまでは移住コーディネーターや空き家の調査などの業務、その他調整役や事務局など中心的な役割を果たされています。

茅葺き職人

淡河の茅葺職人の方に師事し、大切な文化財である茅葺の補修・保護の業務を行われています。

神戸農村スタートアッププログラム

神戸市主催のプロジェクト。神戸市北区のコーディネーターや事務局として、農村部での新しい起業や事業開発を支援する業務をされています。

マイクロファーマーズスクール

EAT LOCAL KOBEが運営するプロジェクト。農家になるためのスクール。農家になるには経験年数や自治体の許可、収入的な観点など、ハードルもリスクも高い。そこで、農家志望の方の現業とのバランスをうまく調整・活かし、自治体とも連携して農家へのハードルを下げる取り組みをされています。

つるまき農園

ご自身で畑を借りられ、薩摩芋や落花生などを栽培。現業とのバランスをとるため、収穫作業や加工販売が可能な作物を中心に展開されています。

今後の目標

都市には都市の便利さや楽しさがあり、農村には農村の自然や癒しがあり、どちらも現代の人間には必要な要素。
だから、どちらかが良いではなく、互いの理解の齟齬が無いように都市と農村を繋ぐことを通じて、結果として農村問題を解決していきたいと思います。

移住コーディネーターのネットワークも広くなってきて、町や区を跨いだ協力体制がどんどん出来てきています。淡河ワッショイのように、そこに住む住民自らが課題意識をもって、組織して活動しているのは稀有な存在だと思っています。

もちろん、さまざまな苦労がありますが、その苦労も含めて「楽しむこと」を忘れずに活動していきたいと思います。

今後も共感できる仲間を増やし、行政とも連携し、農村と都市の問題に挑戦していきたい。

インタビュー動画

当記事内でご紹介した内容を鶴巻さんの声でもっと詳しく。

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