「神話」とは「古事記」に書かれた最初の方の一説の事。
<めっちゃ、いっぱい神を生む>
日本の国土を産み出したイザナキとイザナミは、今度は神々を産み出していきます。
海の神、河口の神、風の神、野の神、木の神、山の神、船の神、火の神など。
それも、泣いたり、死んだり、体を洗ったりするだけでも、そこからどんどんいろんな神様が生まれてくるのです。
<黄泉の国での恐ろしい出来事!>
イザナミが最後に産んだのが「火の神」。その火にやられて、イザナミは亡くなってしまいました。
イザナキは愛しい妻の死を嘆き悲しみました。そして、妻を死に追いやった、我が子「火の神」を剣で殺してしまいます。
悲しみがやまないイザナキは妻に会いに行こうと黄泉の国へ出かけます。しかし、イザナミは建物に引きこもり、すぐには会ってくれません。「黄泉の国の神々と相談するので、ちょっと待っていてほしい。その間は、決して入ってこないでください」と言い、神々と相談を始めます。
と、なると物語的には入ってしまうものです。案の定、イザナキはそぉ~っと扉を開けて入ってしまいました。すると、そこには体中からウジがわき、世にも恐ろしい姿のイザナミがいたのです!
イザナキは驚いて逃げましたが、怒ったイザナミは、醜女(しこつめ)を何人も後を追わせて捕まえようとします。イザナキは必死に逃げます。途中にあった山ぶどうを投げると、醜女たちはそれを拾って食べました。その間に、イザナキは逃げます。それでも追ってくるので今度は筍を投げました。醜女はまた筍を食べ始めました。その間に、イザナキは逃げます。
すると、今度は醜女だけでなく、大軍勢が追いかけてきます。そこで、イザナキは剣を後ろ手に古いながら逃げ、黄泉の国と地上世界の境目に来た時に、桃を手に取って迎え撃とうとすると、軍勢はみな逃げ帰りました。
「桃ってすげー!」ということで、イザナキは葦原の中つ国(地上)で何かあるときは、人々を守ってほしいと願いました。
いまでも、桃は厄を払う縁起物となっていますね。ちなみに、甲冑の「桃形(ももなり)」兜という桃のような形をしたものがありますが、こういった縁起かつぎなんですね。
しかしっ!!!最後に、イザナミ自身が追いかけ、とうとう追いついてきました。イザナキは黄泉の国と地上との境に超でっかい岩を置いて塞ぎ、「これで私たち夫婦は終わりだ」と告げました。
イザナミは「そんなひどいことをするなら、あなたの国の人々を1日1000人殺す!」と言いました。
するとイザナキは「そんなことするなら、こちらは1日1500人産んでやる!」と言い返しました。(人口は増えていくってことですね・・・)
<三貴神、生まれる!>
ようやく、地上に帰ったイザナキは、黄泉の国で穢れたので清めたいと思い、日向の国の川で清めた。(その時に脱いだ衣服や飾りからも神がバンバン生まれています)
左の眼を洗うと「アマテラス」
右の眼を洗うと「ツクヨミ」
鼻を洗うと「タケハヤスサノオ」
この三柱の貴い神様が生まれました。
そして、「アマテラス」には「高天原」を、「ツクヨミ」には「夜」を、そして「スサノオ」には「海原」をそれぞれ支配するように命じました。
<まとめ>
今回は、ここまで。
日本の国土を産み出したイザナキとイザナミは次から次への神々を産み出したわけですが、これらの神々は何を意味するのでしょうか。そして、イザナキが経験した黄泉の国でも恐ろしい出来事は歴史上でどんなことがあったのでしょうか。
ちなみに、イザナキがイザナミの亡骸を葬ったのも、黄泉の国での出来事も出雲の国の近辺だと伝わります。
そして、最後に生まれた三柱の貴神こそが、いまの日本を語る上では非常に重要な神様になってきます。「アマテラス」は天照大御神と漢字で書きますが、見たことがある方も多いと思います。そう、伊勢神宮に祀られている神様で、天皇家の祖にあたる神です。
つづく。
「ざっくり神話」シリーズ:
#1「日本ができるまで」
*参考文献
図説 古事記 (石井正巳著)