はじめに
この記事は、日本において「お金」がどのような仕組みで使われているのか、基本的な部分を共有することで、「事実に基づいて」日本の経済や政治を理解し、必要な意見を言えるようにしよう!ということが目的です。自分自身も勉強しながら書いている記事ですし、専門家や先生では無いので、できるだけ要点だけをわかりやすくまとめていきたいと思います。(細かなところは、興味がある人がそれぞれ調べて勉強するような形が良いと思っています)
これまでの記事
【お金の仕組みを知ろう!】「お金ってなぁに?」その1:お金の誕生」
【お金の仕組みを知ろう!】「お金ってなぁに?」その2:ゴールドスミスと信用創造
この記事の目次
・銀行の仕組み
・今回のまとめ
銀行の仕組み

前回、ゴールドスミス(金匠職人)による金庫をうまく使った「金匠手形」発行のビジネスを学びました。この仕組みは「信用創造」と言い、便利なので社会で主要な取引手段として定着していきました。
この仕組みと現代の銀行の仕組みを比較してみましょう。
図にあるように、
➀利用者が金匠職人に自分のお金を預ける
➁誰かがお金を借りに来ると、金匠職人は自分が持つお金の量とは関係なしに、必要にお金を貸し出す(返せる見込みのある人だけ)
➂その人は元本と利子を合わせて金匠職人に返す(利子は儲け)
と、「金匠職人」のところを「銀行」と置き換えれば、いまの銀行の仕組みとほとんど一緒なのです。
ここで、以下のポイントを理解しましょう。
・銀行は集めた預金を貸出しているわけではない
・(相手が返せる見込みがあるなら)預金額とは無関係にお金を貸し出している(実際は、通帳に数字を書くだけ=金匠手形と同じ!)
・借りた人が事業などでお金を使うことで、市中にお金の量が増える(無からお金の量が増える)
もう少し、分かり易く・・・

例えば、この図の例。
1.ある人が銀行に500万円の預金をします。
2.別の人が事業で必要だからと1億円の融資をして欲しいと銀行に依頼します。
3.銀行は手元には500万円の預金しかないはずですが、この借り手は十分に返済能力があると判断して1億円を貸し出します。
4.この時、1億円の現金をジュラルミンのケースで用意することはありません(笑)
この借り手の通帳・口座に1億円と数字を打ち込むだけで融資が完了するのです。
(実際は、準備預金制度といって預金の一定額を日銀に預けて安全を担保する仕組みがあります)
5.そして、この借り手は自分の事業で仕入先への支払い、社員への給与など実際にお金を使います。
6.全部使ったと仮定すると、市中に新たに「1億円というお金が増えた」ことになります。
つまり・・・「誰かが借金をすると、世の中のお金が増える」ということ。
今回のまとめ

現在の銀行は、「信用創造」という仕組みを使ったビジネスであるということが分かりましたでしょうか?
ちなみに、金匠職人もそうだったように、銀行も「信用」があるから成り立っているビジネスです。もし、何かのきっかけで社会からの信用を失ったら、取り付け騒ぎが起こり、預金は引き出され、破綻ということになります。
銀行のこの仕組みは資本を主体として経済をしている国にとっては非常に便利です。景気がよければ、多くの人がお金を借りて家や車を買ったり、ビジネス拡大のために融資を増やしたりするので、どんどんお金が増えて、給料も上がって、また何かを買って・・・・と好循環が生まれるんですね。
さて、いまの日本はどうでしょうか?
こんな便利な「お金」ですが、当然ながら国が全体を管理しています。
次回は、国家がどのようにお金に関わってきたかを勉強したいと思います。