はじめに
この記事は、日本において「お金」がどのような仕組みで使われているのか、基本的な部分を共有することで、「事実に基づいて」日本の経済や政治を理解し、必要な意見を言えるようにしよう!ということが目的です。自分自身も勉強しながら書いている記事ですし、専門家や先生では無いので、できるだけ要点だけをわかりやすくまとめていきたいと思います。(細かなところは、興味がある人がそれぞれ調べて勉強するような形が良いと思っています)
これまでの記事
【お金の仕組みを知ろう!】「お金ってなぁに?」その1:お金の誕生」
【お金の仕組みを知ろう!】「お金ってなぁに?」その2:ゴールドスミスと信用創造
【お金の仕組みを知ろう!】「お金ってなぁに?」その3:銀行のはじまりと仕組み
この記事の目次
・国家権力と通貨
・今回のまとめ
国家権力と通貨
ある国の通貨のはじまり
ある国が自国の通貨を発行し、国内で流通させたいとします。さて、どのようにして実現しますか?
国民にとっては、見たことも無い通貨になります。信用して使ってくれるでしょうか?
我々日本も同じで、「円」という通貨ができたのは明治になってから。それまでは江戸時代の大判・小判や藩札などが主要な信用通貨として流通していました。
図にある通り、独自の通貨を流通させるためには、まずはその「通貨を創り出す」ことが必要です。当然ですよね、国民は流通したくても、その通貨を持ってないんですから。
そして、それを信用して使ってもらう必要があります。その時に国が考えたのが「税を納める」という義務を国民に課すことです。そして、その義務を果たせないものは逮捕するなど「自由」を剝奪するという国家権力を行使することで、強制的に使わせる仕組みを作りました。
当然、国民としては自由を奪われたくないですから、税を払うために必死に新しい通貨を得ようと働きます。そうして、徐々に通貨が流通していきます。「円」も同じです。「円」を使いたくなければ、外国に住むか、国籍を変えることになりますね。
国家の経済発展
さて、やっと通貨の流通が始まりました。国家としては国の経済をどんどん発展させて成長してきたいですね。そのために、どんな施策を打ちますか?
例えば、発展途上であれば道路や橋、建物や交通機関、電気、ガス、公共施設などをどんどん作ります。そのために、国家は通貨をどんどん発行します(国債)。
そして、国民経済も潤い、いわゆる好景気になりました。みんなの給与も多くなって、生活水準も上がってきました。すると、みんなお金持ちですから、商売する人はモノやサービスの値段を上げます。どんどん物価が高くなっていきます。いわゆる「インフレーション」という状況です。
国家からすれば、インフレは通貨価値が相対的に下がった状況です。さらに、お金の量に対して、国内でモノやサービスを生産できる能力はそう簡単に上がりませんので、物価はどんどん上がるばかりで国民生活は苦しくなります。そこで、国家は「税金を上げる」という手を打ちます。税金が上がれば、市中にあるお金が税金としてどんどん国家に戻ってきますから、市中のお金の量は減り、その結果物価は下がります。そうやって、国家はお金の量をコントロールしているのですね。
今回のまとめ
ということで、まとめです。
国家は独自の通貨を国内に流通させるために、まずは「通貨を創り出す」必要があります。つまり、国家は「独自通貨を創り出す=発行する」能力があるとうことです。そして、「税」や「権力」というものを使って、その流通を強制しています。
「税」というものは、「通貨を流通するための担保」という役割を持つとともに、「物価を調整するツール」という側面もあります。
さて、この2つのポイントを考えたとき、「税は財源」という言葉をどう考えますか?
税収が無ければ、国家として重要な施策を行うことができませんか?
「国の借金」って何でしょうか?そもそも、通貨を流通させるために、最初の最初で国家は通貨を大量に発行していますが、それって借金ですか?これまでに国の経済が立ち行かなくなるような危機がありましたか?
次回は、その国債の仕組みにも迫ってみたいと思います。