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社会起業大学の学長対談に参加して

先日、出身校でもある社会起業大学が主催しているイベント「学長特別対談 社会起業家の厚みこそより良き社会の基盤 ~元プロ経営者が挑む柏市の行政改革~」に参加させていただきました。
全国から、100名近い参加者が集まっていたようです。

お話いただいたのは、柏市長の秋山浩保 氏。秋山氏はもともとは経営コンサルタント業などの社長業を長きにご経験され、2009年から人口約43万人の柏市の市長に当選されました。市の負債380億円を削減するなど辣腕を振るわれ、3期目の職務を務められておられます。

行政の限界

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約2時間のお話の中で、もっとも印象に残っているのは、「これからの新しい社会・地域造りを行うには、国や行政だけでは不可能。そこには、民間の事業スキルを持ち社会造りにチャレンジする社会起業家という存在がいなければ、何も変わらないし、衰退していく一途だ」。(お聞きした言葉を筆者が意訳してます) という趣旨のお言葉でした。

行政は限界がきている

良くも悪くも、日本のこれまでの社会の仕組みから地方自治体は大きな組織になっている。行政組織は予算(税収)ありきの中で、先例に従い、縦割り行動・長い意思決定時間になりがち。民間と違い売上というような分かり易い目標や指標が無いため、改革・改善という動きは難しい。
さらに、1行政区で実施されている業務やプロジェクトは膨大にあり、首長として把握・関われる範囲もかなり限定的になるのが通常。(他の自治体も同様) 

決して、行政が悪いという意味ではないと思います。各自治体ではさまざまな福祉関連、公共設備の保全、業務手続などやらなければいけない業務やプロジェクトが山ほどあり、また、その活動を行うにはすべて法律という絶対外してはいけないレールが存在しています。数百・数千という人たちがこれらの業務を行うわけで、部分最適で関係する部署の縦割りの業務になるのは致し方ないという状況だと理解しています。

社会起業家の役割

ここで必要なのが社会起業家。「社会起業家」という名前は置いておいて、ようは民間の事業手法を活用して継続的に社会の課題解決に取り組み、新しいマインド・仕組みを創り上げようとする人たちのこと

私は、社会起業家は行政の手の届かないところを補完するのではなく、これからの社会を創る主役になると思います。日本の社会の制度疲労は市民の心の疲労にまで広がっていると感じています。もう、制度や仕組みなどを変えるという小手先の改革では新しい社会は作れないと思います。

私たちの心の持ちよう・価値観、そこから変えていく必要があると感じています。
古き良き心を継承し、新しい価値観を取り入れた温故知新を基軸にし、社会の課題の核心がどこにあるのかを何度も何度も内省し、もっとも芯を得ているところに限られた資源を投入していく事業、そういった社会起業家が必要な時代だと感じています。

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Photo by Polesie Toys on Pexels.com

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