はじめに

この記事は、筆者が自身の研鑽を目的に様々な書籍やメディアに目を通し、まとめることで身に着けるために記載しているものです。
できるだけ簡潔に、基礎的なことを中心にまとめていますので、詳細や詳しく学びたい方は書籍の読破をお勧めします。
また、同時に一人でも多くの同じ価値観や考え方を持つ方々を募りたい、増やしたいと思い、オフラインでも共有することも考えています。

目次

・「地政学」とは?
・基本的な言葉と理論
 「ランドパワー」と「シーパワー」
 「ハートランド」と「ワールドシー」
 「リムランド」と「マージナルシー」

「地政学」とは?

「地政学」とは、自国の地球上における地理的状況を大前提として、国家の生き残りを目標にあらゆる戦略を立案するための学問です。そして、これまで主に軍事戦略として活用されてきました。

国土は移動できません。よって、現時点でも「地政学」は有効な学問であり、現実に各国もそれを踏まえた上で国家戦略を策定しています。

「地政学」を理解しておけば、世界の国々にどういう地理的制約条件があるのか、なぜ、そのような戦略(政治、経済、軍事)をとっているのかがある程度予測・理解できるようになります。
政府や政治家のみならず、経営者やサラリーマンなど1国民であっても、世界の動きが見えてくれば、自分にどのような影響が出るのかを予測し、事前に準備をしておくことができます。

「ランドパワー」と「シーパワー」

地政学の基本として「ランドパワー」と「シーパワー」という言葉があります。イギリスの学者・マッキンダーが提唱しました。

「シーパワー(海洋国家)」は、その名の通り国土を海で囲まれている島国であり、イギリス、日本の様な国です。意外なのはアメリカもシーパワーになります。理由は、地続きの北・南から攻め込まれるような心配はほぼ無く、大きな島国の様な地理的条件だからです。

一方、「ランドパワー(大陸国家)」は国土が大陸にあり他国と国境を接するような国です。ロシア、中国、ヨーロッパ各国などがそれにあたります。
「ランドパワー」と「シーパワー」ではおのずと自国の生き残り戦略が変わってきます。

「ハートランド」理論と「ワールドシー」理論

前述のイギリスのマッキンダーが提唱したのが「ハートランド」理論です。「ハートランド」というのはユーラシア大陸の中央部で、今でいうとロシア国内になります。この地域を流れる河は黒海、カスピ海、オホーツク海に流れる河以外は北極圏に繋がっていて、通常凍っているので軍艦が入ることはできず、侵略されない最強の地域であるという理論です。

一方で、アメリカの軍人・マハンは「ワールドシー」理論を提唱し、過去に世界を制したスペイン、ポルトガル、イギリスは海を支配したことによって世界に覇を唱えたので、太平洋や大西洋、インド洋など大きな海を制するものが世界を制すと考えました。

「リムランド」と「マージナルシー」

当然ながら、時代によって武器や戦い方が変わってきますので、理論も変化していきます。「ハートランド理論」と「ワールドシー理論」にも時代と共に変化が出てきました。

「ハートランド」理論には「リムランド(縁の土地)」という考え方が加わりました。アメリカの学者・スパイクマンが提唱したもので、海軍、陸軍の戦いが主だったところに空軍が加わることで、ハートランドの周辺地域「リム(縁)ランド」を抑えれば、地上と空からハートランドを制することができるという考え方です。具体的には東側では朝鮮半島、日本、中国沿岸部、インドシナ半島などがそれにあたります。

一方、「ワールドシー」理論には大陸の半島エリア、島々などで囲まれたエリアを「マージナルシー(縁海地域)」とし、ここを制すことで、太平洋や大西洋を制すことができる、また同時にリムランド、ひいてはハートランドを抑えられることもできる提唱しました。現在でいうと大陸東側ではオホーツク海、日本海、東・南シナ海などです。

所感

まずは、「地政学」の基本的な言葉や理論をご紹介しました。
時代的には19世紀後半から現代にいたるあたりの理論なのですが、現在も十分に通じる理論であり、実際に起こっている出来事を踏まえると、そのままだなと感じます。

ざっと考え付く限りでも・・・・・
シーパワーのアメリカは幕末にペリーが日本に着て開港させて以来、ずっと日本を太平洋西部の最前線基地として利用し続けています。
ランドパワーのロシアは西はヨーロッパとずっと戦い続けており、いまでもウクライナで戦い、東には日本や中国、アメリカがいるのでこちらでも争いが起これば兵力展開にも難が出るので政治的駆け引きをしていることでしょう。
中国はアメリカの覇権力が弱まったことと経済力という武器を手に入れて、強引に南シナ海などマージナルシーを獲得し、太平洋に出てアメリカを牽制しようとしています。日本もその過程で飲み込むことを想定しているでしょう。

詰まるところ、世界は大昔から変わっておらず、世界の覇権を握ろうと様々な国が老獪に生き抜いているというのが現実で、いまだに武力・暴力が主力であり、愚かにも戦争を繰り返しているということです。
理想論を唱えることは良いですが、現実をしっかり把握して、日本も真の独立国家として世界のパワーバランスをうまく活用し、生き抜いていかなければいけません。
それを政府、政治家に求めないといけませんね。まずは、知識を武器として得ることが大切だと思います。

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